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竹永 秀信; 大山 直幸; Bruskin, L. G.*; 間瀬 淳*; 滝塚 知典; 藤田 隆明
Plasma Physics and Controlled Fusion, 48(5A), p.A401 - A408, 2006/05
被引用回数:6 パーセンタイル:21.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマにおいて、ペレット入射や電子サイクロトロン入射等の外部摂動を与えた場合に、閉じ込め性能のさらなる改善が観測されている。本発表では、その時の密度揺動と粒子輸送,イオン・電子熱輸送の変化について報告する。強い内部輸送障壁を形成した後にペレットを入射した放電では、内部輸送障壁での密度揺動レベルの顕著な減少が観測された。この時の粒子・熱バランス解析結果は、粒子輸送とイオン熱輸送は低下しているが、電子熱輸送は低下していないことを示している。一方、電子サイクロトロン入射時には、密度揺動レベルの低下を伴わない閉じ込め改善が観測されている。この時、粒子輸送とイオン熱輸送は変化しないが、電子熱輸送が低下することが観測されている。上記結果は、測定された密度揺動は粒子輸送・イオン輸送には強く関連しているが、電子熱輸送との関連は弱いことを示している。この結果は、粒子輸送・イオン熱輸送と電子熱輸送が、異なる空間スケールを持つ揺動で支配されていることを示唆している。さらに、電子サイクロトロン入射時に密度揺動が減少した放電もあり、その時の輸送特性についても報告する。
竹永 秀信; 大山 直幸; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 三浦 幸俊
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
強い内部輸送障壁(ITB)を有するJT-60Uの負磁気シアプラズマにおいて、ペレットを入射した直後に、密度揺動の低下を示す反射計スペクトルの変化を得るとともに、中心密度や蓄積エネルギーの増加が観測された。ペレット入射前後での粒子及びパワーバランス解析では、実効的粒子拡散係数とイオン熱拡散係数の低下が観測されたが、電子熱拡散係数の低下は観測されなかった。密度揺動と電子系熱輸送の関係を明らかにするために、ペレット入射から20msまでの過渡輸送解析を行った。ペレットの侵入位置はITBの外側(r/a=0.8近傍)であり、ペレット溶発によるコールドパルスがITB領域に到達した後に、反射計スペクトルが変化している。コールドパルスの伝搬による電子温度の時間変化を説明するためには、反射層近傍の内側ITB領域で熱拡散係数が減少、外側ITB領域で増加させる必要があることを明らかにした。内側ITB領域での熱拡散係数減少の時間スケールは、反射計スペクトル変化の時間スケールより緩やかであり、電子温度分布の変化の時間スケールと同程度である。この結果は、電子温度分布がペレット入射前と同程度に回復した時刻でのパワーバランス解析と矛盾しない。このことは、電子系の熱輸送が測定された波数領域の密度揺動と直接的に関連していないことを示していると思われる。
大山 直幸; Bruskin, L. G.*; 竹永 秀信; 篠原 孝司; 諫山 明彦; 井手 俊介; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 鎌田 裕; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(5A), p.A355 - A361, 2004/05
被引用回数:11 パーセンタイル:34.67(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60では輸送障壁における密度揺動計測を行うため、ミリ波反射計の開発を進めてきた。原理的に反射計の信号だけで密度揺動の強度を評価することはできないため、2次元フルウェーブシミュレーションコードを用いて反射計信号を模擬し、実際の反射計信号と統計的指標を比較することで密度揺動の強度を評価する解析手法を確立した。Hモードペデスタル部の計測では揺動の強度と波数を同時に決定することができ、密度揺動が1/6以下に低下するとともにポロイダル波数が減少することが明らかになった。一方、内部輸送障壁を持つプラズマにペレット入射を行った際に観測された反射計信号急減時の評価では、密度揺動が1/2以下に低下していることが明らかになった。
Bruskin, L. G.*; 大山 直幸; 間瀬 淳*; 篠原 孝司; 三浦 幸俊
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.6, p.318 - 321, 2004/00
プラズマ中の密度揺動のポロイダル波数スペクトルと揺動強度を定量的に評価するために、単一周波数のマイクロ波反射計の理論モデルを開発した。このモデルは、ボルン近似のもとでプラズマ中をOモードで伝播する電磁波の2次元波動方程式解析解に基づいている。この解析解は弱い密度揺動だけが存在している場合にポロイダル波数分布を完全に再現できる。また、波数スペクトルが等方であることを仮定することにより、揺動振幅を決定することも可能である。このモデルをJT-60装置のOモード反射計で測定した結果に適用し、プラズマ中の密度揺動の解析を行った。
大山 直幸; 篠原 孝司; 鎌田 裕; 三浦 幸俊; 及川 聡洋; 竹治 智
Plasma Physics and Controlled Fusion, 43(5), p.717 - 726, 2001/05
被引用回数:22 パーセンタイル:57.48(Physics, Fluids & Plasmas)ELMによるペデスタル崩壊の物理機構を理解することは、ELMに伴う瞬間的な熱・粒子パルスによるダイバータ板の損傷を防ぐために重要である。このようなELM研究には、個々のELMについての詳細な計測が不可欠であるが、高時間・高空間分解をもつ計測器が必要なためこれまであまりなされていない現状である。JT-60Uでは、高時間・高空間分解をもつマイクロ波反射計を用いてペデスタル部の計測を行い、ELMにより密度分布が崩壊していく様子を観測することに成功した。ELMの崩壊は、おもに、前兆振動フェーズ、崩壊フェーズ、回復フェーズ、緩和フェーズの4つに分類することができ、それぞれの特徴的時間幅は200-500s,100-350s,200-500s,60-10msである。ペデスタルの肩部近傍における密度崩壊は約7cm内側に達していることがわかった。また、密度分布が崩壊し始めてからD線の強度が上がり始めるまでに130-220sの時間遅れが生じており、スクレイプオフ層を磁力線に沿って粒子が移動する時間と同程度であることが明らかになった。ELMの前兆振動フェーズでは、1cm程度の密度揺動がはっきりと観測されているが、磁場揺動にはこのような前兆振動は観測されなかった。
篠原 孝司; 芳野 隆治; Nazikian, R.*; 藤田 隆明; 岸本 泰明
Europhysics Conference Abstracts, 23J, p.405 - 408, 1999/00
最近発見された負磁気シア高性能プラズマは、トカマクによる核融合プラズマの先進運転手法として、期待されている。現時点では、負磁気シア高性能プラズマの定常的な運転手法は確立されておらず、その確立が望まれ、研究が進められている。JT-60Uでは、定常的な運転手法を知るために、中心部相関反射計を製作し、これを用いて、負磁気シア高性能プラズマの物理機構の解明を進めている。本発表では、JT-60U負磁気シア高性能プラズマにおける内部輸送障壁劣化時の密度揺動の相関測定で得られた結果を報告する。内部輸送障壁の劣化の仕方として、ゆっくりとした劣化と突然の崩壊による劣化の二つの場合を観測し、両方の場合で内部輸送障壁が劣化すると密度揺動の相関長が長くなることが発見された。
篠原 孝司; Nazikian, R. M.*; 藤田 隆明; 芳野 隆治
Review of Scientific Instruments, 70(11), p.4246 - 4250, 1999/00
被引用回数:31 パーセンタイル:84.35(Instruments & Instrumentation)プラズマ中心部での電子密度揺動の相関を測定できる反射計をJT-60Uに新たに設置した。この反射計は4チャンネルから成り、4つの異なった周波数のミリ波を用いることで空間4点を同時に測定可能である。この内2チャンネルが固定周波数、2チャンネルが周波数可変である。周波数可変の チャンネルは60ミリ秒の間に5つの異なった周波数を入射できる。したがって、固定周波数のチャンネルと周波数可変のチャンネル間の相関を取ることで1放電中に密度揺動の相関長を測定できる。また、この反射計はXモード偏波のミリ波を用いることで平坦な密度分布での測定や高磁場側での測定が可能である。この反射計を用いて、負磁気シアプラズマの内部輸送障壁内外での相関長測定を行い、内部輸送障壁内の相関長の方が、障壁外よりも短くなっていることを指示する初期結果を得た。
Nazikian, R.*; 篠原 孝司; 芳野 隆治; 藤田 隆明; 白井 浩; Kramer, G. J.*; JT-60チーム
Fusion Energy 1998, Vol.4, p.1689 - 1692, 1998/10
JT-60Uトカマク装置における内部輸送障壁(ITB)の形成と維持過程におけるプラズマ中心部での密度揺動の空間分布、及び、時間変化を測定するためにプラズマ中心部密度揺動測定用反射計を新たに設置した。この測定の目的はITBプラズマ中心部全体で長波長の乱流が抑制されているのかどうかを知ることにある。まず、揺動の時間発展については、ITBが形成される領域で、ITBの形成に先立ち、プロードバンドな密度揺動が増加し、ITBの形成とともに密度揺動が減少することが観測された。次に揺動の空間分布については、ITB形成後、磁気軸からITBの肩の部分にかけて揺動レベルが増加し、ITBの領域で再び減少するという観測結果を得た。ITBの肩の領域で揺動レベルが増加しているという報告はこれまでなく、新しい結果である。
篠原 孝司*; 白岩 俊一*; 星野 克道; 三浦 幸俊; 花田 和明*; 遠山 潤志*; JFT-2Mグループ
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 36(12A), p.7367 - 7374, 1997/12
被引用回数:13 パーセンタイル:57.44(Physics, Applied)反射計は、プラズマ中に入射したマイクロ波がカットオフ密度で反射された波と参照波の位相差の揺動を測定することでカットオフ密度近傍での密度揺動を測定しようというものである。しかし、反射計で測定される位相データはrunaway phaseという現象を示し、位相データをそのまま用いて密度揺動を測定することは困難である。本論文では反射計のrunaway phase現象時に見られる実験事実が密度揺動による散乱で説明できるとするモデルを考案した。このモデルにもとづきrunaway phaseを含んだ反射計のデータの解析法として複素スペクトル、複素相関を提案した。そして、その解析法をJFT-2Mに設置された反射計のデータに適用した。その結果、H-modeにおける揺動の減衰が電場のシアが存在している領域に局在していることがわかった。
篠原 孝司*
JAERI-Research 97-045, 114 Pages, 1997/08
マイクロ波反射計によるJFT-2Mトカマクの密度揺動の研究についてまとめた。まず、反射計におけるrunaway phaseという現象を考察し、この現象は密度揺動が10%程度あれば説明できることがわかった。これまでの位相による解析法でなく複素振幅をそのまま用いた新しい解析法により、LH遷移における密度揺動の減少が100kHz程度未満の低周波によるもので、径方向シアが存在するプラズマ端に局在したものであること等を明らかにした。
篠原 孝司*; 星野 克道; 白岩 俊一*; 花田 和明*; 遠山 濶志*; 三浦 幸俊; 鈴木 紀男; 山岸 健一*; 及川 聡洋*; 戸塚 裕彦*; et al.
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.433 - 436, 1997/00
被引用回数:4 パーセンタイル:37.09(Nuclear Science & Technology)JFT-2での正常波反射計によるプラズマの密度揺動の測定結果について報告する。波の位相差は「暴走位相」すなわち、予想される位相変化よりかなり大きな変化を示す。この原因については、種々の原因が考えられるが未だ同定するに至っていない。しかし、高速サンプリングを行い位相の時間発展を詳細に調べてみると、位相はステップ状に変化していることがわかった。その平坦部の密度揺動は、規格化小半径0.8で1%(OH加熱のみ)、Lモードで4%、小半径0.9で10%(Hモード)となっていることがわかった。また、この揺動は100kHz付近にピークをもつスペクトルをもつことがわかった。これをドリフト波周波数と比較した。
白井 浩
プラズマ・核融合学会誌, 71(3), p.223 - 229, 1995/03
TFTRのDT実験においてスーパーショットプラズマ及び高pプラズマの熱、粒子輸送が輸送コードTRANSPを用いて解析された。スーパーショットではDプラズマ(重水素プラズマ)とDTプラズマ(重水素・三重水素混合プラズマ)の比較の結果、エネルギー閉じ込め特性及び熱・粒子輸送係数の平均水素質量〈A〉に対する強い依存性が得られた。即ち全蓄積エネルギーW〈A〉、熱化蓄積エネルギーW〈A〉、イオン熱拡散係数i〈A〉,電子の粒子拡散係数De〈A〉等である。高p放電ではHモード遷移時においてDTプラズマの方がDプラズマと比較するとiの減少が大きく、エネルギー閉じ込め改善度が大きく、更に周辺局在モードが発生する時刻も遅かった。しかしながら輸送と密接な関係がある密度揺動の強度は、DプラズマとDTプラズマでは大差がなかった。
荘司 昭朗; 山本 巧; 船橋 昭昌; 嶋田 道也; 藤沢 登; 河上 知秀
JAERI-M 9799, 15 Pages, 1981/11
トカマクの異常輸送と関係する密度揺動をマイクロ波干渉法および散乱法によって測定した。干渉法による最大の揺動は10のオーダであり、又、散乱法による波数K=28.6cmにおける揺動の大きさは10のオーダであった。散逸性補獲電子不安定性の理論に測定値を代入して求めた拡散係数は、分光法で求めた値とよく一致する。密度に反比例する拡散係数の依存性は、経験的なスケーリングと一致する。